2007年08月28日

【小説】『とりあえず物語』〜第1章・旅立ち〜 その2 3

「姉さん!もう止めてください!正気に戻ってください!!」

「キシャーーー!!!」

ザンッ!
ズザァァァー!!!!
ギャキーン!!!

「姉さん!!!」

「シャーシャーーー!!!」


大通りに出てみるとそこは、さながらではなく
本当に戦場となっていた。

変体がおき、獣のような様相をした女性
その見覚えのあるエプロンは
おそらく花屋のナタカさんその人、だろうことは間違いない。

そして、対じて、竹箒を構えているのは
ナタカさんの妹、イサカのように見える。

「なぁ。サトさん…。もしかしてナタカさんは
 魔族か半魔なのか?」

「勇者様!そんなことよりも、早くナタカさんを
 とめてやってくだせぃよ。

(あー、もうこのボケ老人は…
 オレの話は無視しまくりだな…)


ザンッ!
ボゥーン

鋭く伸びた爪で竹箒を両断し
ナタカは、イサカを吹き飛ばした。

「キャッ!」
ズサッ!

「キシャーーー!!!」


ちっ。
ぐだぐだ言ってる場合じゃなくなってきたな…
とりあえず、この場を収めないとやばそうだ。

とにかく、間に割って入ったものの
相手が、魔族なんだか半魔なんだかってのは
重要な話だってのに
サトのじぃさんは、無視してくれたからな
仕方ない、あれをやるか…
精神力とかいろいろ削られるんだが…


「はぁあぁぁぁぁあぁああ!!!
 一撃ぃぃぃ! 必ィィィ勝ぉぉぉぉ!
 残魔ぁぁぁぁぁ!! 昇ぉぉぉ天!!!」

と、ガランが叫びながら掌底を
ナタカに向けかまえると同時に
その足元より輝く陣が出現し
瞬間、光の柱が天へと抜けた。


「おぉぉぉぉぉぉおおお!!!!
 なんじゃこりゃぁあ!!!」

と、サトさんの声が木霊するなか、
ナタカさんの身体は元の姿へと
戻りつつ、地面へ倒れこんだ。

「ふぅ…。
 どうやら上手くいったようだなぁ。
 さて、イサカの方はっと…」

振り向くと、両断された竹箒の柄の部分を
木刀のように構え、豪い形相で、
睨みつけてくるガキがいやがる…

「キサマァァァア!!!!
 姉さんに何をした!!!!」

(うわぁ。こいつもだめな感じで壊れてるなぁ。)

「なぁに、軽く痛めつけてやっただけだぁ。」

「キサマァァァア!!!!」

「ふんっ!オレは逃げも隠れもしねぇぜ?
 まずは姉の様子でもみてやるんだなっ」

「くっ!そこを動くなよ!」
と、勢い良く言い捨てて
姉の元へ駆け寄るイサカ。


少し離れたところから
オレに近寄ってくるのは
サトのじぃさんだ・

「老婆心ながら言わせていただきますが
 ありゃ誤解されるって話じゃねぇ?
 勇者様…。
 つか、さっきの術は、
 変体した者を元の姿に戻したりする術じゃねぇの?
 まぁあんな激しいのは始めて見たけどよー。」

「んー。まぁ、そんなとこだ。
 けど、しばらくナタカは動けないだろうけどな。」


「姉さん!しっかりして、姉さん!」
ナタカに駆け寄ったイサカは
肩に腕をまわし抱きかかえながら、呼びかける。

スーピー。
と、寝息のようなナタカの呼吸を
感じ、イサカの表情は和らぐ。
「良かった…。気絶してるだけね…。」
と囁き、ガランに向き直る。

鋭い目つきで睨みつけ、
今にも襲い掛かってきそうな勢いだ。

「なぁサトさんよ。
 ありゃ、いい感じに誤解してるよな?」

と、先ほどまで隣にいたサトさんは
少し離れたところから手を振っている。

(何が老婆心だよ、逃げるのやたらはぇじゃねぇか…)

「くらぇええええ!」
とイサカは突進してきた。

「こっちは待ったなしか…」

竹箒の柄の部分を大きく振り下ろしてきたイサカに対し
器用に右手首をつかみそのままひねって、
バックをとってやった。
はい。オシマイ。

「何をする!放せ!!!この野郎!!!!」

「とりあえず、落ち着け、イサカ。
 さっきのは冗談だ。
 ナタカさんは痛めつけてねぇよ。」

「嘘をつくな!現に姉さんは倒れているじゃないか!」

「じきに、意識も取り戻すさ。
 それより、お前の怪我の方が随分ひどいぞ?
 少し大人しくしろ。まったく…」

「うるさい!放せ!この変態!!」

(あー。めんどくせぇ…
 このまま、怪我はなおしちまうか…)

多少強引に回復呪文をかけ
怪我が完治し、さらに暴れだし
ついにオレの腕を振り解いた。

「くぅ…。こんな奴に!!!
 汚された!!!!」

といって、花屋の奥へと走り去っていった。

おいおい…
ナタカさんは放置かよ…。

「とにかく、ナタカさんをベッドにでも
 運んだほうがよさげじゃね?」
と、またまた、いつの間にか
横にいるサトさんに促され
ナタカさんを、店の方へ抱えていった。

にしても、ナタカさんの事情も気になるとこだが
この赤黒い空の色にも
何かありそうだな。
と思いつつ、店の中へ入っていった。


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ruru5939 at 17:01コメント(0)トラックバック(1)小説  

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